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ジョン万次郎ーその2 [歴史]

1月11日の続きです
 
前回は、漁船で漂流していた万次郎達が、
四国沖から鳥島に漂流し、5ヶ月後、
たまたま上陸してきた「ジョン・ハラウンド号」に救助され、
米国のマサチューセッツのニューベッドフォードに行った所まででした。
 
 
その後、万次郎は「ジョン・ハラウンド号」のキャプテンの
ホイットフィールドの養子となり、
今で言うハイスクールで航海学を学びました。
彼は、在学中常にクラスの主席を占め、
優等の成績で卒業しました。
 
また、キャサリンと言う女性と結婚した。
 
彼女と結婚して、米国に骨を埋める覚悟ですが
やはり、日本の母親の事も頭から離れません。
 
  
将来の糧を得る為、万次郎は捕鯨の船に乗ります。
この時、一度沖縄に上陸を試みますが、話が通じません。
 
 
米国のニューベッドフォードの自宅に帰ると、
奥さんのキャサリンが海の事故で
亡くなっていた事を知り、
傷心の彼は死を覚悟して日本に帰る事を決心します。
 
この頃、鎖国をしている日本に帰る事は、
牢獄で取り調べを受け
大概は亡くなる運命にあるのです。
 
 JohnManjiro.jpg
 
 
カリフォルニアで金を採掘し、
帰国の費用として、ハワイにいる仲間2人と
沖縄から日本に戻ります。
 
幸いな事に、
万次郎達が沖縄に上陸した当時、
日本は、長い鎖国から、
「文明の進んだ異国」を受け入れる体制の流れに、
傾きつつありました。
 
 
時代の風が万次郎に見方をして、
沖縄、鹿児島、長崎、土佐での対応は、
異国文化を理解している彼にとって、
大変丁重なものでありました。
それだけ日本は外国の情報を欲しがっていたのです。
 
実は、この時期に、江戸に黒船が来ていたのです。
 
 
彼の幕臣の身分は、土佐の上士より身分は上です。
 
先日の大河ドラマの「坂本龍馬」で、
下士の身分の龍馬は、上士が来ると土下座をして
彼等の通り過ぎるを待ったシーンがありました。
土佐の漁師の万次郎は、
その上士より身分が上となったのです。
  
その後、万次郎は幕府の幕臣に引き上げられ、通訳として
勝海舟と共に「咸臨丸」に乗りサンフランシスコに行きます。
 
さらにその後、当時開通したパナマ運河を経由して、
米国経由でヨーロッパにも出かけます。
 
 WS000050-1.PNG
 (万次郎が船で航海した航路を色分けしてみましたが、
  150年も前に、彼は世界中を航海していたのです。)
 
 
そして、時代は明治となり、
再度米国に行きますが、
この時は、アメリカ横断鉄道も開通していて、
万次郎は、列車で東海岸まで行き、
ニューベッドフォードの
ホイットフィールド船長と再会します。
 
(100年後の現在でも、この両家は交際が続いています)。
 
 
万次郎は、
幕府の軍艦操練所教授。
薩摩藩の藩校教授、
土佐藩の藩校教授、
そして、東京帝国大学の前身の
開成学校の教授として活躍します。
 
 
明治期初頭、土佐藩藩主の山内容堂の許可を
受けて、万次郎は土佐藩下屋敷に住む様になりました。
 
場所は、現在の西大島の北砂小学校の敷地内です。
 
そして、山内容堂自信は、
丸の内にあった土佐藩上屋敷の他に、
別途敷地を手に入れ、住む様になりました。
 

その土地は、
徳川時代は田安家の敷地でしたが、
明治維新の勝ち組の
土佐藩に譲る事になった様です。
 

この敷地が、現在の何処かと調べてみましたら、
私の仕事場からわずか300メートル先で、
先輩Mさんの仕事場の目の前でした。
 
何気なく、毎日歩いている場所にこんな歴史が
埋もれているとは
本当に歴史とは面白いものです。
 
彼の活躍は、
現在で言うと、シアトル・マリナーズで
活躍しているイチローを思い起こさせます。
 
 
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 
 
(おまけのひと言)
 
今回私が読んだ津本陽の小説
「椿と花水木」の題名は、
 
万次郎がキャサリンと結婚した際、
男の子が生まれたら「ドック・ウッド」
女の子が生まれたら「カメリア」
 
と言う名前を付けようという
ところから来ている様です。
 
即ち、カメリアは「椿」、
ドック・ウッドは
「花水木」なのです。

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コメント 2

虹子

面白かったです!
ジョン万次郎、読んでみたくなりました。
土佐藩にもかなりゆかりがあるんですね!
彼を大河で取り上げないかな~。
いつも脇役だから。
大河も海外でたくさんロケして、どうでしょうね~。
お金がないかな。

私「三国志」を読み終わって、山崎豊子にいこうとしたのですが
なぜか図書館で目にとまった司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を
読み始めてしまいました。これまた何年かかるのかな。
万次郎に行きつくのはいつなんだろう!
by 虹子 (2010-02-01 15:43) 

yamagtxp

ホント!彼を映画化すれば海外にも
そのまま出せますよね。
日本の映画関係者は何をしている
んでしょうね?

私が小説を読んだ順番は、司馬遼太郎の
「竜馬がゆく」から始まり、歴史に興味を
持ち、10年くらいは戦国時代のものばかり
読んでいました。
次に山崎豊子作品です。

虹子さんの人生は、まだまだ沢山ありそうだから
ゆっくり読んで下さい。
by yamagtxp (2010-02-02 20:48) 

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