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色っぽいと言われるのが嫌!(琴線に触れた友人達ーその7) [琴線に触れた友人達]

私の人生の中で
琴線(きんせん)に触れた友人達の
今回は7人目です。

彼女のかもし出す雰囲気が
ヒッチコックの映画「めまい」
に登場するミッジに似ている事。

また、
名前のイメージが近い事から
彼女の事は「ミッジ」と
呼ばせて貰う。


二十歳の頃、
まだ学生だった私は
車の免許は持っていなかった。

しかし、
既に彼女は免許を取得していて
当時赤い車を乗り回していた。

 

赤-1.GIF

 

ある日、その車で
彼女の友人が働いているという
駅前喫茶「スリー・ソックス」
に行った。

お店の入り口の上に
「3枚の靴下」の飾りが
ぶら下がっている。


ネームミングが可愛い
そのお店のドアーを開けると、
店内にはクラシックの音楽が
流れていた。

おそらく、
彼女とミッジとは
高校の同級生ではないかと
思われる。

話によると
友人とミッジとは
「男嫌い」で気が合うとか。


その翌日、
彼女から電話があり
「貴方を送った後、
車をぶつけたの!」と
言われた。

危ういところだった。


当時は、
マイカー時代の幕開けで
今とは違い
女性が車を運転するのは珍しく、
世の男からは「メ○運転」と
言われていた。

車を運転するには
力が必要で、
それは男の領域だと
私も思っていた。

現在の様に、
こんなにも沢山の女性が
車を運転する時代がくるとは
想像も出来なかった。

 

 

ある秋の日、
2人で日比谷の映画館に行き
「パリのめぐり逢い」を
見に行った事がある。

 


クロード・ルルーシュの
音楽が素敵なその映画を鑑賞後、
コリドー街の喫茶店に入った。


そこで彼女はふと、
「私、皆から色っぽいと
良く言われるけど、
それが嫌なの!」と
つぶやいた。


私は今まで、
彼女に対しては友人感覚はあったが、
そんな感覚は持っていなかった。

改めてそう言われてみれば
私もそう思うので
「それはね・・・、
君の行動がおっとりしているから
知らない世間の男にはそう見えるの!」
とからかい半分の言葉が
喉まで出かかったが言うのを止めた。


それが、
「彼女にとっては 真剣な悩み事だ」
と感じたからだ。

 

彼女の仕事の定休日は火曜日。

私の仕事の定休日は土日と
すれ違いが多かったせいか、
ミッジとはそれ以降
段々と疎遠になってしまった。

 

それから15年後。
前回紹介した「新聞社くん」の
父親が亡くなった。

葬儀の会場で歓談していると、
新聞社くんの妹が来て、
ある女性を私に紹介した。

「こちらは、ミッジさんのお姉さんです」
と。

「え?何故、
私に紹介するのだろうか?」。


私と彼女の付き合いは
誰も知らぬはずなのに・・・。


「知らぬは当人ばかりなり!」
と言う事か。

 

私は、
その後のミッジさんの
人生を知らないのだ。

 

 


 


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