「地下鉄に乗って」の映画と本 [青春時代]
先週の日曜日、３歳年上の先輩と、
オヤジ同士で「地下鉄に乗って」と言う
浅田次郎原作の映画を見てきました。
いつもは「何時に仕事が終わる。軽くどう？」のメールばかりなのですが、
先輩から「映画に行くか？」と誘って来るのは今回が初めての事でした。
約束の時間に、Ｍ市民会館に行って見ると、
そこに長蛇の列を作るのは、頭に白い物が目立つ人が大半です。
先輩が「俺、これを見たかったんだ」とポツリと私に言いました。
映画が放映されるＭ市民ホールに入ると、中はほとんど満員です。
映画の始まる時刻になると、１人の男性が壇上に立ち、挨拶をしました。
「本日は、Ａ新聞販売店の主催で、
Ｍ市Ｍ地区の購読者の皆様へのご招待です。
どうぞごゆっくりご歓談下さい」。
私の購読しているＹ新聞には、このようなご招待は一切ありません。
あのけちな先輩が、私を映画に誘う理由はこれにありました。
Ｍ市民ホールにこの映画を見に来ている人は皆、
つい最近まで目の前にあった、手を伸ばせばすぐ届いてしまう様な、
「昭和」と言う時代に戻りたいのです。
私もそうです。
自分の若さ、青春は皆、「昭和の時代」に残してきましたから。
写真は、主人公の真次が、地下鉄永田町の、
とある出口を上がると、４０年ほど前の新中野駅に出てしまい、
確認のため弟の圭三に電話をしている場面です。
ところが、周りは過去の世界なのに、電話だけは現在と
繋がっていました。
主人公の後ろにあるポスターは、埼玉県の川口市を舞台にした、
吉永小百合と浜田光夫の日活映画「キューポラのある街」です。
また、下段左の日付は、何年の１０月２１日なのかは分かりません。
「物語の内容」は、主人公が地下鉄の出口を出ると、
昭和の時代に戻ってしまと言うストーリーです。
そこは、自分が子供の頃に住んでいた町でした。
兄の自殺、若い頃の父親と現代の自分との出会い等の
ＳＦ的な内容も盛り込まれています。
映画では、現代と過去が入り込むので、
少し分かりにくい部分がありますが、
全体としては、私のタイム・スリップ好みも満足させてくれる、
面白い映画でした。
ただ、ストーリーの展開が変わる度に、
電車が進んで行く時の地下鉄構内が
映し出されるのですが、
その回数が多すぎるのが気になりました。
１週間後の昨日、地元の図書館でこの本を借りて来ました。
改めて本でこの「地下鉄に乗って」を読み直して、
映画の場面と照らし合わせているところです。
（題名が、右から左に書かれていますね！）
「読後」・・・４月２５日
文庫を読んでみると、映画はほとんど原作に忠実に
描かれていました。
しかし、つまらない事に気づいてしまいました。
２２４ページの後半の部分です。
真次とみち子が２人で地下鉄日比谷線に
乗っている場面ですが、
「会話の途絶えた二人を乗せたまま・・・・・・・
仲御徒町、秋葉原、小伝馬町と懐かしい下町の名が続く。
人形町、八丁堀、茅場町、築地・・・・・」と
記述してあります。
しかし、実際の電車の駅の順番は、
小伝馬町、人形町、茅場町です。
文章の前後を見ても、意識的に間違え形跡はありません。
私の読んだ文庫本の刊行は１９９４年３月の物ですから、
その後増刊された際に修正されているかも知れません。
しかし、
昭和の時代は良い！
但し、私にとっての昭和は、戦後の話ですがね・・・。
「２０年ぶりに・・・」 [青春時代]
久しぶりにM君と会い軽く飲んだ。
M君と会うのは２０年ぶりだろうか。
彼とは、大学1年の時に同じクラスだった。
彼はユース・ホステルクラブに属し、私は歌声愛好会に属していた。
卒業後、就職先も同じだった。
しかし、彼は５年で会社を去り、今や自分で会社を経営する社長さんだ。
一方私は、同期入社の中で最後までその会社に残ったが、４年前にその会社を去り、転職した。
まず２人で入った店が、今流行のフォーク喫茶だった。
しかし、久しぶりに会うので、自分達の近況を語り合う方が優先し、ほとんど歌の方に目が行かなかった。次回、ゆっくり訪問してみようと思う。
やがて、お互いの子供達の話になった。
私の息子が、学校を順調に進んだ後、挫折した話をしたら、彼は安心していた。
実は、彼の息子達も挫折していたのだ。
お互い、自分達の若い頃を思い出し、思わずにやりとしてしまった。
その後、彼の馴染みの店に河岸を変え、お酒も熱燗に変えて、店の看板まで近況を語り合った。
